栄養学コース 　Bachelor of Health Science (Clinical Nutrition）ニュートリション臨床栄養学

栄養学コース（Nutrition）とは？

このコースでは、オーストラリアの自然栄養学を総合的に学び、単にスキルをもつセラピストとして治療にあたるのだけではなく、栄養士(Nutritionist)として資格を持った上で、より幅広く活躍することを目的に勉強します。

自然栄養学では、食物を薬としてとらえ、科学的な視点でその役割を考えます。
その為に、臨床実習や包括的な栄養学を学ぶ事で、健康維持や病気治癒に必要な知識を身につけ、広範囲に渡る栄養の精査とカウンセリングを行うことができます。

日本の管理栄養士（Dietitian）になる目的のコースではなく、Nutritionistになるためのコースです。

オーストラリアでニュートリショニスト（Nutritionist）として活躍中のゆうきさんに、臨床栄養学（Clinical Nutrition）コースについて詳しくお話をうかがいました。

• Clinical Nutrition （臨床栄養学）とは？

臨床栄養学コース

Clinical Nutrition臨床栄養学は、栄養、食事、生活習慣がどのように健康に関わり、栄養療法食事療法、生活習慣の改善がどのように健康を支えるのかを実践的に学ぶコースです。

その根っことなる理念は、人の身体、心、精神を一体とみなし、人が本来持っている自然治癒力を正常に働かせることで、全てのバランスを整え、根本的な原因を治療する栄養療法が基になります。

そして、治療法の根本的な考え方が、「Food as medicine」医食同源（＝食は医術である）であるため、栄養・食事の重要性をベースにしています。

この臨床栄養学コースではまず、人間の生物学、生理学、病理学などの健康科学の基礎、栄養学の基礎、研究とエビデンスに基づく実践の基礎などを学びます。

この段階では、人の健康や病気、栄養など、さまざまな基礎知識を身につけます。

次に、栄養生化学や病態生理学、栄養・食事療法の基礎、カウンセリングの基礎、臨床分析と評価などを学びます。

ここでは、病気の原因、栄養・食事療法が病気の病理にどのように影響するか、病気の根本の原因をどう見つけるのかなどを、理論をベースに実践練習も交え、最終段階の準備をします。

最後に、栄養療法と食事療法の応用、薬理学、カウンセリングと栄養・食事指導プランニングなどを学びます。

この最終段階では、理論と実践を通し、今までの知識をアウトプットする場です。実際に、大学にあるクリニックにて、スーパーバイザー指導のもと、一般のクライアントを治療する実習があります。

その他の科目では、生涯における年齢別の栄養学、様々なダイエットの知識、Farm to Fork(農場から食卓まで)の言葉の通り、食物がどのように作られ、運ばれ、加工され、食卓へ届くのかや、プロフェッショナリズムやビジネスなども学べます。

日本の管理栄養士（Dietician）になる目的のコースではなく、Nutritionistになるためのコースです。

元ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントとして知られる、エリカアンギャルさんもこのコースを受講なさっています。
★過去に行ったエリカアンギャルさんのトークショーの様子はこちら

• コンサルテーションの実習の内容

コンサルテーションよりも、カウンセリングと述べた方がイメージしやすいでしょうか。

コンサルテーションは、個々のクライアントと1体1で、対面かオンラインにて、行われます。

コンサルテーションは、症状を抑えるのではなく、その根本の原因を探り、症状の要因を改善することで自己治癒力を正常に戻すお手伝いをすることが目的です。その症状の原因は、栄養不足、生活習慣の乱れ、ストレス、物理的・非物理的な環境など、さまざまです。

ホリスティック（包括的な）アプローチをし、その原因を見つけます。そして、伝統療法とエビデンスベースドをもとに、栄養・食事のアドバイス、生活改善のアドバイス、サプリメント処方により、症状改善のお手伝いをします。

実習をトータル455 時間、大学のクリニック にて行います。

学生プラクティショナーは、2人ペアでお互いを協力しながら実習します。実習前には、科目毎で、コンサルテーションの仕方の練習、見学、サポート役、メインで行うように、段階的に、一つずつ着実にスキルを身に付けられるカリキュラムになっています。

この実習時間の多さは、その後のキャリア形成にもきちんと繋がっていきます。

• 栄養学（Nutrition）とは？

ニュートリションとは、その人がその人らしく健康に暮らすため、その人の無限の可能性を引き出すための栄養療法です。

We Are What We Eat. 食べたもので身体が作られると言われるように、食べたものが血となり肉となり精神、人格、をつくり、我々の身体は支えられています。さらに、食べたものがその人の将来も支えるのです。

そして、ニュートリションは、伝統療法とエビデンスに基づき、健康の予防と管理に重きを置いています。ニュートリションは、栄養療法、食事療法、生活習慣の改善、体組成分析などホリスティックなアプローチとアドバイスにより、人の健康とウェルビーイングに暮らすお手伝いができるのです。

• 日本の栄養士とは、どう違う？

オーストラリアのNutritionistは、調理実習などの調理に関する科目はありません。その代わりに臨床的な勉強が中心になります。ある程度、食事のレシピやヘルスフード、ヘルスドリンクのレシピも勉強しているため、クライアントにそのレシピや調理方法などもアドバイスしますが、日本の栄養士の方がより詳しいかもしれません。

オーストラリアのNutritionistは、血圧測定、触診、生体インピーダンス分析（身体の水分値、筋肉量やバランス含む）などの分析も行いますし、サプリメントの処方も行うことができます。

働く場所は、耳鼻科や皮膚科など、まちのお医者さんがいるクリニックにNutritionistがいるイメージなら、わかりやすいかもしれません。

少し違うのが、ホリスティック（包括的）に健康とウェルビーイングのお手伝いが目的のため、ナチュロパス、ハーバリスト（ハーブ）、理学療法士や、リメディアルマッサージセラピストたち、プラクティショナーと共に働いていることです。その中でも、Nutritionistは栄養と食事療法を専門にした医療従事者のような職業になります。

• NutritionistとDietitianとの違いは？

NutritionistとDietitianはどちらもエビデンスに基づく医療を実践し、より良い食事とより良い健康とウェルビーイングを提供するという同じビジョンを持っています。ただし、両者は異なる哲学に基づいて実践しています。

・Nutritionistは、人の身体、心、精神が一体であることを理解したホリスティックなアプローチで治療を行います。このアプローチは伝統療法とエビデンスに基づき、1対1でコンサルテーションを行います。その両方の知識を組み合わせ、個々の為に考えられた栄養・食事のアドバイス、生活改善のアドバイス、サプリメント処方をします。そのアドバイスにより、健康の予防と管理、症状の改善を目指します。

・Dietitianは、栄養関連の病気を治療および管理するための栄養目標と基準を満たす、より厳密的な臨床アプローチで治療を行います。このアプローチはエビデンスに基づき、1対1でコンサルテーションを行います。目標と基準を満たすため、適切なメニュープランを含めた栄養・食事のアドバイス、生活改善のアドバイス、サプリメント処方をします。パーソナライズされたアドバイスにより、健康の予防と管理、症状と病気の改善を目指します。